『キムズビデオ』

世界最高のレアビデオ・コレクションの数奇な運命を追うドキュメンタリー
『キムズビデオ』
ビデオテープ 2025 年問題の今年、ついに日本上陸!


【INTRODUCTION】
1980 年代からアメリカ・ニューヨークのイーストビレッジ(ニューヨークのボヘミアと呼ばれ、カウンターカルチャー 運動の中心地)に実在したレンタルビデオショップ「キムズビデオ」の 55,000 本にも上る唯一無二なレアビデオ・ コレクションの行方を追ったドキュメンタリー映画『キムズビデオ』。
ワールドプレミアとなったサンダンス映画祭では「遊び心がハンパない」「常軌を逸したドキュメンタリー」と映画ファ ンたちから熱狂的な支持を受けて大きな話題になり、その後トライベッカ映画祭など計 61 の映画祭で上映され、 シッチェス映画祭・ドキュメンタリー部門の最優秀作品賞をはじめ、計 7 つの賞を受賞するなど、一昨年から世界中 の映画祭を席巻してきた『キムズビデオ』が、ついに日本で公開される。

1987 年、韓国系移⺠のキム・ヨンマンがニューヨークに開業したキムズビデオは、世界中から収集された 55,000 本ものレアな映像作品が取り揃えられていた。入手ルートも、世界各地の映画祭や各国大使館経由など、 大手レンタルビデオショップには真似のできない独自のものだった。その世界最高のレアビデオ・コレクションを目 当てに、シネフィルたちが連日通い詰め、会員数は 25 万人に膨れ上がった。その会員の中には、若かりし頃のコー エン兄弟もおり、延滞金を 600 ドル滞納している逸話も本作に登場する。また、トッド・フィリップス(『ジョーカー』 シリーズ、『ハングオーバー』シリーズ)や、アレックス・ロス・ペリー(『ハースメル』)、ショーン・プライス・ウィリアムズ (『スイート・イースト 不思議の国のリリアン』)ら、今や名を馳せる監督たちがキムズビデオの店員として働いてい た。さらに、大ヒットした『ロボット・ドリームズ』でもドッグとロボットがキムズビデオでレンタルした『オズの魔法使 い』を鑑賞するシーンがあり、この映画の監督であるパブロ・ベルヘルもニューヨークに住んでいた頃、毎日のよう に通っていたエピソードも存在し、後の映画業界の発展に貢献したと言っても過言ではない、まさに“映画の理想 郷”だった。

一方、このコレクションの中には、本来この国では見られない海賊版も多く、それがまた会員たちを興奮させてい た。その中には、当時ほとんどソフト化されていなかったジャン=リュック・ゴダールの『映画史』をレンタルしていた ことで、ゴダールからレンタル差し止めの通告が届き、映画の権利元の訴えを受けた FBI に押収されるなど、多く の伝説が語り継がれる“シネフィルの聖地”でもあった。

だが、ビデオレンタル時代の終焉とともに、2008 年に惜しまれつつ閉店。キムズビデオの会員だったデイヴィッ ド・レッドモンが、そのコレクションがその後どうなったのか捜索すると、ニューヨークから遥か遠いイタリア・シチリ ア島に移設されていることが判明。レッドモンがシチリア島に出向くと、ビデオテープにとってはあまりにも劣悪な ホコリだらけの湿った所蔵庫で放置されていることが発覚。そこでレッドモンは掛け替えのないビデオ・コレクショ ンを救い出すことを決意する。アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、イングマール・ベルイマン、ジ ャッキー・チェンといった映画の“精霊”たちを召喚し、架空の映画撮影を装いながら前代未聞の奪還作戦を決行す る。

前半はドキュメンタリーだが、途中からはふたりの監督と映画の“精霊”たちによって、ある種の意図的な創作物語 へと発展していく。
物語は 56 作品の世界のあらゆる映画を引用し、未だかつて見たことのないタイプの映画愛に満ち溢れた傑作となった。
日本でも SHIBUYA TSUTAYA が昨年 4月にリニューアルし、今となってはあの膨大な映像コレクションを見る ことはできない。また、今年「ビデオテープ 2025 年問題」が起きると囁かれており、映像メディアの価値を再考さ せる本作の公開は、まさに絶好のタイミングと言える。

【STORY】
ニューヨークの映画ファンたちが通い詰めたレンタルビデオショップ「キムズビデオ」。そこは、5 万 5000 本もの 貴重かつマニアックな映画の宝庫だった。

時代の変遷で閉店になった 2008 年、経営者のキム・ヨンマンは、価値ある膨大なコレクションをイタリアのシチ リア島にあるサレーミ市に展示を条件に譲渡することを決意、コレクションは長旅を終えシチリア島へ到着した。

しかし数年後に「キムズビデオ」元会員であるデイヴィッド・レッドモンが現地を訪れると、活用されずホコリだらけ の湿った倉庫でひっそりと息を潜める映画たちを発見。彼は倉庫から助けを求める映画たちの“声”にかき立てら れ、彼らを救うべく、警察署長や当時の市長への取材、その陰で暗躍するマフィアへと追跡を続ける。

そしてついにデイヴィッドは、映画たちを救うために荒唐無稽な奪還作戦を決意した。 その作戦とはカーニバルの夜に映画の撮影だと偽り、アルフレッド・ヒッチコックやチャールズ・チャップリン、ジャン =リュック・ゴダール、イングマール・ベルイマン、ジャッキー・チェンといった映画の“精霊”たちを召喚し、倉庫から 映画たちを解放するという前代未聞の計画だった。

監督・編集:アシュレイ・セイビン、デイヴィッド・レッドモン
出演:キム・ヨンマン (主人公)/ショーン・プライス・ウィリアムズ (キムズビデオ元従業員)/アレックス・ロス・ペリー (キムズビデオ元従業員)/ディエゴ・ムラーカ (この地区の自治体の警察署長)/エンリコ・ティロッタ (キムズビデオの管理人/ミュージシャン)/ヴィットリオ・ズカルビ (かつてのサレーミ市長 2008~2012)/ジュゼッペ・ジャンマリナーロ (マフィアとの繋がりが疑われる謎の人物)/レオパルド・ファルコ (マフィア撲滅委員会 会長)/ドミニコ・ヴェヌーティ (サレーミ市長)
2023年/88分/G/アメリカ/英語・韓国語・イタリア語
© Carnivalesque Films 2023

上映スケジュール

9/17(水)〜9/21(日)23(火)
10:00〜13:00〜16:00〜19:00〜
黒川の女たち私たちが光と想うすべてバーナデット ママは行方不明「キムズビデオ」
9/24(水)〜9/28(日)
10:00〜13:00〜16:00〜19:00〜
バーナデット ママは行方不明「キムズビデオ」私たちが光と想うすべて黒川の女たち

鑑賞料金

通 常会員
一 般1800円1500円
シニア(60歳以上)1400円1200円
高校生まで1000円1000円

※お得な鑑賞料金の会員システム >>KINBOSHI VIBESもご用意しています。
>> 鑑賞料金と会員システムの変更のお知らせとお願いについてはこちらから


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